改善提案にはストーリーが必要という話

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間接部門として働いているうえでは売り上げを積み重ねていくことはしません。
どんな形で貢献するかというと、直接部門のサポート、会社の運営、インフラの整備、そして(全社対象の)業務の改善です。

日日現場作業や営業活動をしている人たちでは見えてこないことを一歩引いたところから観察・分析できるので業務の改善という形で口を挟むのが得意なのです。

で、ここは効率化できるな、とか、ここを自動化できればだいぶ時短できるな、という提案を持つのです。
もちろん具体的にどの作業をどんなツールを使って、どんなフローで・・・とかできるだけ具体的にします。
今のやり方だとどのくらいの時間がかかっているから、この改善をするとこれだけ削減できて・・・と、効果の方も忘れていません。
そこまで用意して、いざ上長や社長なんかに自信ありげに提案しにいきます。
ですが、多くの場合は受け入れてもらえないでしょう。

なぜでしょうか。
私の経験からいうと、相手にストーリーが伝わっていないからです。

大抵の場合、事前に考えていた策すら聞く前に、「それは現場の工夫で何とかなるんじゃないの?」とか、「もう導入しているツールをうまく使ってよ。」とか、挙句の果てには「効率化したから何がいいの?」と捨て置かれてしまいます。
それでも食い下がっていると、誰が困っているからそう考えたのか?現状の不具合は何なのか?何をしたいのか?ということを質問されるのです。

歴が浅いころは相手にしてもらえてない感を受けていましたが、最近は相手の頭の中を想像することができるようになってきました。
つまり、上長や社長からすると、この話だけでは聞くに値するのかを判断する材料がなかったのです。
それがストーリーと思っています。

ところで、上司は部下に情報を出さないくせに部下の浅慮を責めるし、部下は報告しないくせに上司にすべてを知ってもらっていると思っている、という話をどこかで聞いたことがあります。

この話に私の経験を当てはめると、
私は上長や社長なら現場や現状の活動を細かに話さなくても分かっているだろうと思い込み、
上長や社長は、こいつは全体的な考えができずに現場の1フローで思考が止まっている
というふうにこのすれ違いが言語化できるのではないかと考えているのです。

以前の会社で新人教育の方が次のように言っていたことを思い出しました。
難しいのは、きれいで効率的なコードを書くことでも仕様書をプログラムに落とすことでもなく、人の頭の中にある設計を誰もが分かる形で具現化することだ。

上記の言葉はSIerの会社でしたので上流工程は大変なんだよ。手を動かすだけじゃなくて設計やプロマネの勉強もちゃんとしていこうね。という文脈だった気もしますが、しかしこれは一般に通用する訓戒だと思います。

話を戻しますが、では上長や社長が話を聞く気になるストーリーとは何なのか?です。
いきなり箇条書きにしますが、このフォーマットに沿って考えをまとめていけばストーリーが出来上がってくると思います。

  • 今、どこで何が起きているのか
  • それで誰が困っているのか
  • 現状では改善できない理由
  • 伝えたい改善案を選択する理由
  • それで誰が助かるのか

どこの誰が何で困っているが解決できないから私が提案する改善案を実施しないとどうにもならないです。ということをまず理解してもらいましょう。
具体策や効果はこれを伝えて反応を見てからでいいと思います。

相手にとって必要なのは具体的なフローでも効果でもなく、まずやるのかやらないのかを判断する材料です。
具体策も効果もやると決めた後に工夫や協力でポジティブな変化が付けられることも多いです。

この話、会社仕事が身についてきた中堅くらいの方には当たり前かもしれませんね。
会社において「相手の立場に立って考える」とか、「自分の考えを相手に伝える」、という言葉の意味がやっと身に染みてきた思いです。

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